1-2. 「仕事のとれない会社案内」は こんなに損をしている!
仕事のとれない会社案内は、無駄金を使う
私が過去見てきた会社案内には、様々な種類があります。
数十ページフルカラーの豪華写真集のようなものもあれば、見開き単色刷りのシンプルなものもあります。
会社案内を制作する場合、多くの会社は「まずどの位のページにするか」から考えをスタートします。
そこから制作金額を割出し、その金額に基づいて制作を依頼します。
「中綴じ20ページのフルカラーでいくら」という考え方は、広告代理店の制作基準です。
つまり「金がかかる」制作方法なのです。
大手メーカーの会社案内でよく見られる「見開き一面のイメージ画像(例えば宇宙や森林のイメージ)」をご覧になった事はありませんか?
「ページ単価いくら」で制作金額を設定する広告代理店方式では、このページこそが「最も頭を使わないで稼げるページ」だからです。
体裁にこだわる大手メーカーならまだしも、コストを削減しながら効率を追求する会社にとっては全く意味のないページです。
会社案内は中身で勝負。
中身とは「セールストーク」です。
そのセールストークを最も効率良く見せるための手段が「デザイン」なのです。
決してデザインが目的ではありません。
写真の出来栄え、色の発色、紙質の良さ、ボリュームの多さ・・・。
広告代理店が主張する「立派な会社案内」には落とし穴があります。
私はこれらの要素は優先順位は低いと考えます。
写真はわかればいいし、色合わせのために印刷にコストをかける必要はない。
紙質は流通量の多い紙を使えばコストはかなり落とせるし、内容を伝えるのに適したページ数であれば見開きでも構わないと私は考えます。
ある化粧品会社のパンフレットは、その会社にふさわしく立派なものでした。商品写真も立派でした。
しかしその商品のセールストークはお粗末なものでした。
印刷費に数百万はかけたであろう豪華な会社案内も、内容次第では数万円の会社案内に負けてしまうのです。
仕事のとれない会社案内は、営業しない
「会社案内」が営業するものと考えている会社は少ないように思います。
なぜなら、自社製品のメリットを、お客様(読み手)にわかりやすく丁寧に解説し、欲求を喚起させるような会社案内があまりにも少ないからです。
会社案内は、営業マンの「オマケ」ではありません。
営業マンがいなくても相手にセールストークを伝えることのできる、重要なセールスツールなのです。
「私はどこの誰でどんなメリットをお客様にお届けすることができるか」を端的に説明できなければ、ただの紙屑です。商品写真とそのスペック(仕様)が入ったものは、会社案内ではありません。カタログです。
セールストークがない会社案内は、営業のできない営業マンと同じです。
せっかく届けることができた、せっかく相手が読んでくれるというチャンスに、自社メリットもセールストークもない会社案内では、まず仕事はとれないでしょう。
人が購買に至るプロセスは、注意→興味→欲求→確信→行動 であると言われています。
会社案内が請求されるのは「注意」の段階、すなわち情報収集の段階。
多くのライバルのなかで、お客様の「興味」と「欲求」を引き出すセールストークこそが、ライバルに勝つ重要な要素です。
仕事のとれない会社案内は、この「セールストーク」がないから、情報収集段階で負けてしまうのです。
高い制作費と印刷費、郵送料を垂れ流していることと同じ。
では、「営業する会社案内」とはどういう会社案内なのでしょうか?